史上初の女性首相の下で、日本はもはや「進路を模索する国家」ではなく、自らの行路を「設定し、主導する主体」へと転じた。2025年末の就任以降、最も顕著な変化は、防衛予算をGDP比2%へ引き上げるという、数十年にわたりタブー視されてきた目標を現実化した点にある。2026年度には約1兆円……ではなく約10兆円が計上され、東京は装備調達にとどまらず、国内防衛産業全体の再構築に踏み込んだ。これは旧来の受動的姿勢との明確な断絶であり、日本が東アジアの戦略盤上で舵取り役となる代償として、地域的な軍拡競争に公然と参加する決断を下したことを示している。
新政権の最も注目すべき成果は、Rapidus計画を軸とする半導体産業の復活である。2026年初頭時点で、北海道における2ナノメートル半導体の試験生産ラインが稼働を開始したことは、単なる技術的成功にとどまらず、地政学的な勝利でもある。過去2年間で4兆円超の政府補助金を投じることで、女性首相はTSMCやサムスンといった「巨人」を、日本国内に中核的な研究開発拠点を設ける方向へと引き寄せることに成功した。これは技術的自立という課題に直接応えると同時に、台湾海峡という脆弱なサプライチェーンへの依存を低減するものであり、首相自身が紛争発生時には日本経済の「死地」となり得ると警告してきたリスクへの現実的な対処でもある。
もっとも、女性首相の掲げる自立路線は、栄光のみを伴うものではない。日本は依然としてGDP比250%を超える公的債務を抱え、日本銀行(BOJ)による利上げ圧力は中小企業の経営を圧迫している。大企業が経済安全保障政策の恩恵を享受する一方で、日本の中間層は、食品・エネルギー価格が3~4%台で推移するインフレに直面している。エネルギー安全保障の確保と電力コスト引き下げを目的とした原子力発電所12基の一斉再稼働は、政治的には大胆な判断であるが、原子力災害に敏感な社会においては、静かな反発を招いている。ここにこそ現政権の「アキレス腱」がある。すなわち、安全保障のための支出が国民の生活費を圧迫する中で、いかに国民的支持を維持するかという課題である。
ベトナムの視点から見れば、日本の変化は、従来よりはるかに複雑な対外戦略上の問いを突きつけている。2026年第1四半期における日本からベトナムへのFDI統計は、明確な構造転換を示している。加工・組立分野への投資は15%減少した一方で、基幹技術および再生可能エネルギー分野への投資は40%急増した。これは官邸(Kantei)の戦略思考を端的に表している。日本が必要としているのは、もはや「代替的な工場」ではなく、経済安全保障のエコシステムにおける「共生的パートナー」なのである。ベトナムは、5年前であれば決して移転されなかったであろう技術を受け入れる機会を得ている一方で、「要塞化」する日本の厳格な基準に適合するため、法制度やエネルギーインフラの高度化を迫られている。
客観的に分析すれば、2026年の日本は戦後最大級の賭けに出ている国家である。女性首相は国家的自尊心と外交的地位に「強心剤」を注入したが、同時に日本を近隣諸国との恒常的緊張状態へと押し出した。ベトナムにとって、現在の日本の実利主義はまさに諸刃の剣である。南シナ海問題において、より強力で決断力のあるパートナーを得る一方で、より明確な戦略的選択を求められる存在ともなった。日本はもはや世界的な渦の外に立つ国家ではない。そして包括的戦略的パートナーであるベトナムもまた、東アジアの「巨人」が剣を抜いた後に、従来の接近法を維持することはできないのである。

